最近、風邪の症状を抑えるための新たな手段が明らかになりました。それは、江崎グリコ株式会社が独自に開発した乳酸菌『Lactobacillus helveticus GCL1815株』です。この乳酸菌が、健康な成人を対象に行われたヒト試験で、風邪の自覚症状を抑える効果が確認されました。この研究結果は、2024年12月に国際科学雑誌『Nutrients』に発表されています。
研究の概要
GCL1815株は、江崎グリコが特に選抜した乳酸菌で、免疫機能を高める効果が期待されています。本研究では、風邪の発症と免疫機能に及ぼす影響を評価することを目的として行われました。具体的な研究結果を見てみましょう。
風邪の症状軽減効果
研究に参加した96人の被験者の中で、GCL1815株を摂取したグループは、風邪の自覚症状があった日数が大幅に減少しました。具体的には、対照群が1116日であったのに対し、GCL1815群では938日と有意に少ない結果になりました。特に、熱っぽさや疲労感、鼻水、鼻づまりなどが軽減されました。これにより、この乳酸菌が風邪の発症をどのように抑えられるかが明るみになったのです。
免疫機能への影響
また、このGCL1815株は、免疫機能にも影響を及ぼすことが確認されました。風邪症状の軽減に寄与するため、体内の樹状細胞が活性化されることが重要です。樹状細胞は、体に侵入するウイルスや病原体に対する防御機能を強化する役割を担っています。
特に、2種類の樹状細胞、プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)と従来型樹状細胞1(cDC1)が活性化されることが示されました。研究結果によると、GCL1815群では、摂取4週目と8週目においてpDCの活性指標が有意に高い値を示し、また、cDC1の発現量も有意に増加しました。これらの結果は、GCL1815株がウイルスによる感染防御に対して大きな効果を持つ可能性を示しています。
今後の展望
この研究結果は、GCL1815株の持つ健康効果が、実際に私たちの免疫力を高め、風邪の予防に貢献することを示しています。江崎グリコは、引き続きこの乳酸菌に関する研究を進め、より多くの人々の健康をサポートする取り組みを行っていく予定です。
まとめ
免疫力を高め、風邪の症状を抑えるための効果が期待されるGCL1815株は、これからの季節に向けて注目すべき存在です。風邪の予防に関心がある方は、この乳酸菌の摂取を試してみる価値があります。健康で快適な毎日を過ごすために、乳酸菌GCL1815株を活用して、心身のサポートを得ましょう。