髪が持つ美しい動きの秘密
課題の背景
近年、軽い熱処理によるヘアスタイルが注目されています。毎日のスタイリングに便利なヘアアイロンやコテは、多くの女性にとって欠かせないアイテムとなりました。しかし、毎日の使用によって髪が硬くなり、しなやかさが失われるという声も多く聞かれるようになりました。特に「しなやか」とは、物理的に『柔らかさと弾力』を持つ理想の状態を指しますが、その詳細な見極めは難しいのが現状です。
このような課題を受け、クラシエ株式会社のホームプロダクツカンパニーでは、しなやかな美しい後ろ髪の動きに注目し、その解析に取り組むことにしました。
動きの解析技術開発
新たに開発された解析技術では、ハイスピードカメラを使用し、髪の揺れを捉え、その動きを数値化する手法が確立されました。その結果、健康な髪は柔軟に揺れ、振動が静止する際にスムーズに収束することが判明しました。一方で、ヘアアイロンによってダメージを受けた髪は、振動が消えずに揺れ続ける傾向があります。この違いは、髪の内部に存在する粘性成分の減少に起因することがわかりました。
粘性成分の発見
髪の美しい揺れを維持するキー成分を明らかにする中で、「Cell Membrane Complex(CMC)」という細胞間をつなぐ重要な成分が注目されました。特に、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)が、これと類似した効果を持っていることが示されました。この成分をアイロンダメージの髪に適用すると、振動をピタッと収束させることができる可能性が明らかになったのです。
結論と今後の展望
今回の研究を通じて、髪の動きにおける新たな解析技術が開発され、健康毛とアイロンダメージ毛が有する動きの違いが一層明確になりました。また、アイロンダメージを受けて硬くなった髪を改善するために、ラウロイルグルタミン酸ジが非常に有効であることを確認しました。この技術は今後、2026年秋に発売予定のヘアケア製品に応用される予定です。また国際的な化粧品学会においても報告される見込みです。
私たちの髪が持つ素晴らしい動きを取り戻すための新たな一歩が、日常の美髪ケアに役立つことを期待しています。