ポーランドでの成果報告:食品ロス削減への挑戦
日本からの挑戦がポーランドで評価されました。一般社団法人サスティナブルフードチェーン協議会(SFA)の理事、渡辺達朗さんがワルシャワ生命科学大学で行われたイベント【'Challenge for reduction food loss and waste through DX and AI applications'】に登壇し、昨年からの取り組みの成果を報告しました。このイベントは、食品ロス削減に向けた、デジタル技術(DX)や人工知能(AI)の活用をテーマにしており、各国の専門家が集まりました。
食品ロス削減への取り組み
SFAは、食品業界全体での食品ロスを削減することを目的としています。特に、昨年度から株式会社ライフコーポレーションとネッスー株式会社と共に運営している実証実験において、まだ食べられる農産物や日配食品を、子ども支援団体や子育て世帯へ寄贈する取り組みを行いました。この取り組みは、地域の子どもたちに必要な食材を提供する一方、食品ロスの減少にも寄与しています。
実証実験は、2022年10月から開始され、寄贈対象商品の寄贈実現率は63%を記録し、取り組みの成功を収めました。その後も寄贈活動は続き、最終的には全体の64%が寄贈されたとのこと。この活動を通じて、食品ロス削減と社会福祉の向上の両立を実現できる可能性が示されました。具体的には、寄贈された食材は、足立区内の子ども食堂や、その他支援を必要とする家庭に分配されました。
未来を見据えた活動
今回の発表では、他にも消費者庁の田中誠室長、岡山大学の松井准教授、博士課程のMaja Sutkowskaさんなど、さまざまな団体や専門家が登壇しました。日本国内の取り組みを紹介しつつ、国際的な視点からの食品ロス問題へのアプローチが話し合われました。
SFAでは、子どもたちの未来を見据えた『こどもスマイリング・プロジェクト』を推進しています。これは、食品業界と子ども食堂などの支援団体との連携を深め、食育を通じて未来のサスティナブルな消費者を育成することを目指しています。特に、子どもたちがエシカル消費について学ぶためのプログラムが提供され、食品企業の取り組みにも直接関与する機会が与えられています。
結論
食品ロス削減は、個々の企業や団体だけで解決できる問題ではありません。異なるバックグラウンドを持つ組織が協力し合い、知恵を出し合い、相互の取り組みを高めることで初めて、持続可能な社会を築く道が開けます。SFAが実施している様々なプロジェクトに注目し、引き続き食品ロス削減の活動が進展することを期待しています。今後の展開にもぜひ注目してみてください。
次回は、ワルシャワ生命科学大学での発表資料が公開される予定ですので、そちらもチェックしてみてください。