松任谷由実の原点を感じるノンフィクション小説
日本音楽シーンの象徴とも言える松任谷由実(ユーミン)の少女時代を描いた小説が、ついに文庫版として登場します。山内マリコの新作『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』が、2025年11月6日から全国の書店およびインターネットで発売されます。
この本は、松任谷由実が17歳で作曲家としてデビューするまでの軌跡を追ったもので、特に彼女の幼少期から荒井由実時代に焦点を当てています。作家である山内マリコは、持ち前の取材力を駆使し、松任谷由実の知られざるストーリーを丁寧に描き出しています。
松任谷由実は本作を読み終えた際、「山内さんの好奇心が、私自身も忘れていた愛を思い出させてくれた」とコメントしました。彼女の音楽だけではなく、心の深い部分にまで触れた彼女の言葉は、この本に対する期待感を高めています。
原点を辿る旅
物語は、八王子に裕福な呉服店の娘として生まれた由実の幼少期から始まります。ピアノに触れ、清元を学び、ミッション系女子校生活を送る彼女は、都会の洗練された文化に影響を受けながら成長していきます。高度経済成長期の東京という背景の中、彼女の才能が芽生えていく様子は、多くの人々に共感を呼ぶことでしょう。
不遇のサクセスストーリー
松任谷由実の物語は、多くの人が共感しているサクセスストーリーとは異なります。彼女の成長過程は、決して平坦なものではなく、数々の壁にぶつかることになりますが、それゆえに彼女の存在感や才能が際立つのです。
山内マリコは、幼少期の思い出や青春時代の出来事を描きながら、ユーミンがどのようにして自分自身を見つけ、音楽の道へと進んでいったのかを綴っています。
解説も収録
文庫化にあたり、酒井順子が解説を寄せており、読者がより深く本作を理解するための手助けをしています。また、ブックデザインを大島依提亜が担当し、その装画は羽鳥好美によるものです。まさに心を打つ内容だけでなく、見た目も美しい本に仕上がっています。
読者を魅了する一冊
この小説は、特に松任谷由実のファンや音楽に興味のある方にとっては必読の一冊です。彼女の原点を感じることで、彼女の音楽や詩が更に深く理解できることでしょう。また、音楽や文学に興味があるすべての人に、新たな視点を与えてくれるに違いありません。
『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』は、音楽の魅力だけでなく、心の中にある「愛」を再確認させてくれる作品です。ぜひ、手に取ってその魅力に触れてみてください。
書誌情報
- - 書名: すべてのことはメッセージ 小説ユーミン
- - 著者: 山内マリコ
- - 発売日: 2025年11月6日(木)
- - 価格: 990円(税込)
- - 仕様: 文庫並製・432ページ
- - ISBN: 978-4-8387-7115-8
- - 発行: 株式会社マガジンハウス
- - URL: マガジンハウス