髪のクセと直毛の秘密を探る
髪の毛には、ストレートなものと凹凸のあるもの、つまりクセ毛の2つのタイプがありますが、なぜこれほどまでに違いが生まれるのでしょう?多くの人々が何度も考えたこの疑問に、タカラベルモント株式会社の化粧品研究開発部が新たな答えを提示しました。彼らの独自技術による研究により、クセ毛とストレートヘアの違いは、毛髪内部のケラチン分布パターンに関連していることが判明しました。
この研究は、2024年11月に神戸で開催された「第2回日本化粧品技術者会 学術大会」にて発表され、注目を集めました。研究チームの萬成哲也氏と武鹿直樹氏は、高度な蛍光イメージング技術を駆使して、毛髪内に存在する12種類のケラチンの分布を高解像度で可視化することに成功しました。
新技術によるケラチンの可視化
彼らの研究では、髪の毛を構成する主要成分であるケラチンに着目しています。これまでにもクセ毛と直毛におけるケラチンの種類には違いがあることが報告されていましたが、空間的な分布の違いについてはほとんど知られていませんでした。今回、タカラベルモントのチームは、特にKRT35, KRT38, KRT85の3種類のケラチンにおいて、クセ毛と直毛の左右分布に偏りがあることを発見。
この発見により、クセ毛では左右のケラチンバランスが崩れ、毛のうねりに大きく影響する可能性が示唆されています。新たなアプローチとして、ユークリッド距離を用いて左右のケラチン分布のズレを数値化し、より具体的にその特徴を比較する方法が導入されています。これにより、クセ毛の特性を数値で示すことができ、これまでの理解を一歩進める結果となりました。
未来の髪質改善につながる研究
今回の研究成果は、髪が成長していく過程において、髪質を根本的にコントロールする新技術につながる可能性があると考えられています。タカラベルモントは今後も毛髪科学の最前線で新しい可能性を追求し続け、髪の本質に迫る研究を進めていくことを決意しています。この研究が進むことで、クセ毛に悩む多くの人々に新たな解決策を提供できる日が来るかもしれません。
タカラベルモントの企業プロフィール
タカラベルモント株式会社は、大阪に本社を置き、1921年の創業以来、理美容・化粧品、デンタル、メディカル事業を展開してきました。100周年を迎えた今、彼らは「美しい人生をかなえよう」というパーパスのもと、持続可能な社会を目指し進化し続けています。公式SNSでは最新情報を随時発信していますので、ぜひチェックしてみてください。今後の研究や新技術の開発に期待が寄せられています。