フェンディが魅せる100年の歴史と未来をつなぐ秋冬コレクション
2025年2月26日、ミラノのフェンディオフィスで行われた2025-26年秋冬ウィメンズ・メンズコレクションの発表。今年は、ブランド創業95周年という節目を迎え、歴史を振り返りつつ未来に向けた新しいスタイルを提案しました。アーティスティックディレクターのシルヴィア・フェンディがどのようにその思いを形にしたのか、一緒に歩んでいきましょう。
歴史の中の遊び心
シルヴィア・フェンディは、彼女の祖父母が創設したフェンディの伝統を重んじつつ、過去のアーカイブに留まらない新たな視点で100周年を祝おうとしています。「フェンディは未来を思い起こさせてくれる」と語る彼女は、想像力をもって自らの記憶を紡ぎ、現在のフェンディが何を意味するかを考え続けています。この考えが、コレクションに込められた遊び心のベースになっています。
ミラノの新たなショールーム
ショールームとしてリニューアルされたミラノの空間は、まるでローマにあるフェンディのブティックの歴史的なサロンを再現しています。そこには、かつてフェンディ家の5人の姉妹が共に忙しい日々を過ごした思い出が詰まっています。豪華なシャンデリアと赤絨毯の下で、彼女たちの世代を超えたストーリーが育まれていったことを想像させます。
革新と伝統の融合
コレクションで表現したいのは、イタリアの仕立てとその洗練さの新たな解釈です。特に、ウィメンズとメンズのアイテムは、古き良き伝統を大切にしながらも、現代的な視点で再構築されています。フレアコートやドレスに施された高級素材の数々は、触れたくなるほどの魅力を持っています。
カラーとテクスチャーの饗宴
コレクションのカラーパレットは、夕暮れのローマを思わせるバリエーションに満ちています。月桂樹やフォレストグリーン、そして燃えるような夕日を感じさせるテラコッタな色合いが各アイテムに息吹を与えています。このように多彩な色使いは、視覚的に非常に豊かで、まるで物語を語りかけてくるかのようです。
新しいシルエットの誕生
コレクションの中では、特に注目すべきシルエットがいくつか誕生しました。身体のラインに優しく添うラグジュアリーなデザインが、見る者の目を引きます。また、ウィメンズ、メンズ共に流れるようなラインを持つジャケットやコートは、モダンなスタイルとフェンディの伝統が調和した美しい仕上がりとなっています。
未来のアクセサリーコレクション
アクセサリーにおいても、フェンディはその独自性を失わずに革新を続けています。「フェンディ ジャーノ」を始め、月形のバッグなど、未来的な視点でデザインされたアイテムがコレクションに加わりました。どのアイテムも、シルヴィアのセンスが光る洗練された仕上がりです。
ジュエリーの新境地
デルフィナ・デレトレズ・フェンディが手がけたジュエリーコレクションも見逃せません。ファーのような質感で輝きを放つアイテムたちは、シンプルでもありながらも個性を主張します。特に、スターリングシルバーのオベリスクペンダントやシャンデリアイヤリングは、他のどのブランドにもない独自性を備えています。
エディターズノート
今回のコレクションは、シルヴィア・フェンディの幼少期の思い出をテーマにした点でも特別です。過去のアーカイブを通じて示されたビジュアルは、ブランドの黄金時代を彷彿とさせるものでした。特に、モデルたちが開いた木製の扉の向こうからつながる時代の移り変わりが、観客を魅了しました。
フェンディの2025-26年秋冬コレクションは、ただのファッションショーに留まらず、過去から未来へのストーリーを紡ぎ出す壮大な舞台でした。これからのフェンディにも目が離せません。