動物実験廃止に向けた『Lush Prize 2026』が幕を開ける
英国のナチュラルコスメブランド、LUSH(ラッシュ)とエシカルコンシューマー・リサーチアソシエーションは、動物実験の代替法開発を促進するための基金『Lush Prize 2026』の応募受付を2025年9月1日から開始することを発表しました。総額約25万ポンド(約6,600万円)もの賞金が授与されるこの基金は、動物を用いない実験分野としては最大規模を誇り、動物実験の廃止に特化した取り組みを行っています。
Lush Prizeの歴史と意義
2012年に創設された『Lush Prize』は、それまで一般的だった「動物実験は人類の健康に必要」といった考え方に疑問を投げかけるきっかけとなりました。近年ではAI技術の進化や生体機能チップなどの新しい科学的手法が注目され、動物を用いない実験が人間や環境に対し有益な結果をもたらすことが証明されつつあります。これに伴い、世界中の政府も段階的な動物使用廃止の計画を立て始めています。
例えば、2025年4月に米国FDAが発表した動物実験を廃止するためのロードマップや、欧州委員会が動物実験の段階的廃止を予定していることもその一環です。これらの動きは、動物実験の必要性に対する社会的認識を変える中で、Lush Prizeが果たす役割の重要性をさらに高めています。
受賞カテゴリーと応募方法
『Lush Prize 2026』では、12の授与が計画されており、主に以下の5つのカテゴリーに分かれています:
1.
世論喚起部門:動物実験の実情を広く知らせた個人や団体。
2.
サイエンス部門:動物を使わない研究を進める研究者や機関。
3.
トレーニング部門:代替法のためのトレーニングを提供する団体。
4.
ロビー活動部門:政策介入を行う個人や団体。
5.
若手研究者部門:35歳以下での代替法研究を行う研究者。
また、授与とは別に、功績部門や健康チャリティープロジェクト部門も存在し、様々な視点から優れた取り組みが評価されます。
これからの展望
Lush Prizeは動物実験の廃止に向けた重要な一歩として、若手研究者たちや優れた研究への支援を継続していきます。昨年の受賞者、Zheng Tan氏は、「『Lush Prize』を受賞することで研究を続けるための資金を得られた」と語っており、多くの研究者にとって大きな励みとなっていることが伺えます。
このように『Lush Prize』は、動物福祉の意義を広めるだけでなく、未来の科学のあり方に対する積極的な影響をもたらしています。2025年の応募期間は9月1日から11月28日まで。詳細は公式ウェブサイトで確認できます。
私たちもこの取り組みを通じて、動物実験廃止に向けた意識を高め、未来に向けた変化の一端を担いたいものです。動物実験の完全廃止を目指す『Lush Prize 2026』の発展に、ぜひ注目していきましょう。