福井県の新たな食育モデル「おむすびシェフ」
福井県の坂井市立平章小学校で、子どもたちの「自炊力」を育むための実証授業が行われました。この授業では、株式会社MIRAIEが開発した子ども向けミールキット「おむすびシェフ」を利用し、地域の食材を生かした食教育を通じて、子どもたちが主体となって食と向き合う機会を提供しています。
「おむすびシェフ」とは?
「おむすびシェフ」は、包丁や火を使わずに子どもが自分で調理できるミールキットです。このキットには、野菜たっぷりのおむすびのレシピが含まれており、料理研究家の福田淳子氏が考案した調理法で、子どもたちが野菜を楽しく食べられるよう工夫されています。また、特許を取得している「まほうのみそスティック」を使うことで、お湯を注ぐだけでみそ汁が完成するのもポイントです。これは、野菜本来の風味や食感を維持しながら食育の楽しさを伝える役割を果たしています。
実証授業の流れ
実施日が令和7年11月21日のこの授業では、5年生と2年生が合同で参加しました。授業の最初は、MIRAIE代表の安東迪子氏と大宮千絵氏による講演が行われ、テーマは「おむすびから見る世界と福井」。世界各国のおむすびの種類を紹介し、地元福井の食材を活用したおむすびアイディアを考える場面もありました。
その後、5年生は自ら収穫したお米を使って「おむすびシェフ」を活用し、具だくさんのおむすび作りに挑戦。2年生と一緒にみそ汁も作り、協力して調理することで、思いやりの心を育むことも目的としています。
参加者の声
実際に授業に参加した子どもたちからは、「普段あまり好きではなかったにんじんが、ツナと合わせておいしく食べられた!」「自分で作ったおむすびが本当においしくてうれしかった!」といった感想が寄せられました。
教員からは、「子どもたちが料理を通じて食の大切さを学ぶ貴重な体験をした」との声があり、この取り組みが生徒にとって記憶に残るものになったことを示しています。
今後の展開
今後、MIRAIEは「おむすびシェフ」を活用した食育の取り組みを全国展開することを計画しています。この取り組みは、家庭科の授業が減少する中で、子どもたちに自立を促す食育モデルとして注目されています。また、地域資源を活かし、SDGsの観点からも意義深い実践例として位置づけられています。
「自炊力」を育む新しい食育モデルが、福井県から全国へと広がることを期待しています。福井の子どもたちが、自らの手で食の楽しさや大切さを学ぶ未来が待っているのです。