混沌を打破する2025-26秋冬パリコレの新たな潮流に注目！

2023年3月24日発行の「WWDJAPAN」では、2025-26年秋冬パリ・ファッション・ウィークにおける特集を展開します。このシーズンは、デザイナーの移動が頻繁に起こったため、トレンドが捉えにくい状況が続いています。しかし、その中でももう一度ファッションの本質に立ち返り、様々なメッセージがデザイナーたちの作品に込められています。

今季特に注目を集めたのは、サラ・バートンが手掛ける「ジバンシィ」、ハイダー・アッカーマンによる「トムフォード」、そしてジュリアン・クロスナーの新作「ドリスヴァンノッテン」です。それぞれのブランドが新たな章の幕開けを感じさせるコレクションを発表しました。特集では、これらのブランドの魅力を豊富なビジュアルと共に紹介し、新しい潮流を視覚的に楽しめます。

特に注目されるメッセージは、暮らしにおける「強さ」と「安らぎ」です。デザイナーたちは、不穏な時代においてこれらの要素をどのように表現しているのか。例えば、「ディオール」や「エルメス」では力強さが、「ザ・ロウ」や「サカイ」では安らぎが強調されています。さらに、ビンテージの美学を巧みに取り入れた「ヴァレンティノ」や「クロエ」のコレクションも見逃せません。また、働く女性のスタイルをアップデートする「シャネル」や「サンローラン」、「ステラマッカートニー」のアプローチにも注目が集まっています。

この特集には、デムナが「バレンシアガ」から「グッチ」へ異動した件についての専門家による分析も含まれています。デムナの「グッチ」への新しい試みには、賛否が噴出しています。否定派はそのディストピア的な要素に懐疑的ですが、肯定派はむしろデムナが「グッチ」に新たな風を吹き込む可能性をも指摘しています。特集を通じて、読者自身の目でその真意を探り、混沌とするファッションの行く先を見つめ直すきっかけを提供したいと考えています。

特集の後半では、2026年春夏に向けたテキスタイルトレンドも詳しく紹介します。パリで開催される素材見本市「プルミエール・ヴィジョン」のトレンドを、テキスタイルデザイナーの梶原加奈子さんが解説してくれました。これにより、次の季節に向かう素材の動きや、期待される色合いについて深く理解できます。

また、53歳でアパレル業界から転身し、漫画家として活躍する林田もずるさんのインタビューも掲載。彼が描く「アパレルドッグ」の誕生秘話や業界の裏側について語る様子は、ファッションとアートを融合させる新たな視点を提供してくれます。

最後に、今回の「第8回 WWDBEAUTY」ヘアデザイナーズコンテストの結果をもお届けします。全国の美容師たちが参加したこのコンテストでは、ヘアデザインだけでなく、トータルビジュアルによる評価が行われる厳選された作品群が並びます。グランプリ受賞者が手掛けるビジュアルには、ナチュラルさとロマンティックな傾向が絶妙に交錯しています。

ファッションの新たな波を感じたい方は、是非この特集をチェックしてください。活気あるパリコレの最新情報を、豊富なビジュアルでお楽しみいただける内容となっています。