KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 サテライトイベント"KG+" 2025
アフリカの声を世界に届けるアーティスト、パメラ・トゥリゾ。彼女は2020年に「ディオール ヤング フォトグラフィー&ビジュアル アーツ アワード」で最優秀賞を受賞した経歴を持つ。その作品は、アフリカ人女性たちの複雑なアイデンティティーや、彼女たちが直面する葛藤について深く切り込んでいる。
"Mababu ‒ 先祖の霊" とは
トゥリゾの最新作『Mababu ‒ 先祖の霊』は、アフリカ大陸における奴隷制度の歴史を再解釈し、未だ見過ごされている女性たちの役割にスポットを当てた12枚の写真シリーズである。彼女は綿花やタバコのプランテーション、家事労働、そして性的搾取といった経済的背景に着目し、逃れられない運命に立ち向かう彼女たちの勇気や不屈の精神、そして力強さを祝福する作品を提供する。
衣装が語る物語
「衣装は、色や形、テクスチャーを通じて物語をより鮮明に伝えます」と語るトゥリゾ。彼女は自らデザインした衣装を用いて、作品に込めたメッセージをより深く表現している。明るい色合いは彼女の作品に希望と命を吹き込み、劣悪な環境に生きる女性たちの美しさに敬意を表す。さらに、編み込まれた髪型は、奴隷女性たちが搾取の場から逃れるための地図として希望を象徴する。
京都での展示
『Mababu ‒ 先祖の霊』は、2025年4月12日から5月11日まで京都のSferaで展示される。会場は、ヨーロッパ写真美術館のアートディレクターであるクロチルド・モレットによってデザインされたミニマリストな空間。作品と観客との親密な関係を反映したこの展示では、パメラ・トゥリゾが祖国と国民に抱く愛と希望がより一層際立つ。
写真展の期間中、ぜひトゥリゾの世界に触れ、彼女の強いメッセージを感じてみてはいかがだろうか。アフリカ女性のアイデンティティを問いかける貴重な機会をお見逃しなく。