敏感肌の不快感を軽減する新しいスキンケア研究について

敏感肌の不快感を軽減する新しいスキンケア研究

敏感肌を持つ人々にとって、日常的な刺激が痛みやかゆみ、さらにはチクチク感を引き起こすことがよくあります。このような状態を引き起こす要因として、皮膚のバリア機能の低下が知られていますが、最近、花王株式会社が京都大学と共同で行った研究により、敏感肌のメカニズムが新たに解明されました。

研究の背景

通常、敏感肌とは、何気ない刺激に対しても過剰に反応し、痛みやかゆみを感じる状態を指します。これには皮膚バリアの低下が原因とされてきましたが、花王はこの分野において長年研究を続けてきました。そして、これまでの研究結果に基づき、神経線維の活動が影響している可能性があることを示唆しています。

神経線維の特徴と敏感肌

最新の研究では、敏感肌を持つ人々の皮膚において、表皮タイトジャンクションと呼ばれる構造の機能低下が見られ、健常な肌よりも神経線維が角層深くまで伸長していることが確認されました。この神経繊維の伸長が、刺激に対する過敏さを引き起こしている一因と考えられています。アトピー性皮膚炎と同様のメカニズムが働いている可能性が示唆されました。

γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸の効果

研究を進める中で、花王の研究チームは、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸という物質が表皮タイトジャンクションの機能を高めることを発見しました。この成分を含むプロトタイプ製剤を開発し、40名の敏感肌を持つ女性に対して8週間の使用試験を行いました。その結果、製剤を使用した群は不快感の軽減を感じる人の割合が有意に高いことが分かりました。特に、刺激を感じる最小の電気レベルが上昇したことが確認され、実際に不快感が軽減したという報告が得られました。