2025年2月22日、東京・下北沢にあるザ・スズナリで、多民族キャストによる舞台「Soul of ODYSSEY」が上演されます。この作品は、古代ギリシャの叙事詩『オデュッセイア』を基にしたもので、英雄オデュッセウスの旅路や試練、そして苦悩を描いています。
「Soul of ODYSSEY」は、小池博史ブリッジプロジェクト-ODYSSEY(株式会社サイ。東京都中野区本社)が手掛け、2023年にはマレーシアで初演されました。今公演では、マレーシアと日本の国際共同制作が実現し、さまざまな国の文化を融合させた舞台が展開されます。劇中では、参加者たちがそれぞれの母国語でセリフを交わし、異なる文化が一堂に会する特別な空間を演出しています。
出演者としては、日本人9名および2023年のマレーシア初演メンバーから選抜された5名が参加。演劇、コンテンポラリーダンスに加え、日本の古典芸能である能や雅楽、和太鼓、日本舞踊などの要素が取り入れられ、さらにマレーシアの多彩な舞踊や音楽と融合しています。このように、多文化が交差する舞台は、現代でも変わらない人間の姿を古代の視点で描くことが期待されています。
美術面では、岡本太郎現代芸術賞特別賞を受賞した美術家・山上渡の作品が取り入れられます。視覚的なダイナミズムを生かした空間に映像が投影されることで、観客は物語の世界に引き込まれることでしょう。
本作品は35回目を迎える「下北沢演劇祭」に参加しており、世田谷区民向けの割引チケットも用意されています。更に、鑑賞サポートとして、舞台に関する説明、触れることができる模型やあらすじの提供、筆談対応、劇場内の誘導等が行われます。
舞台のテーマは「生と死」、そしてその混沌の中で渦巻く魂の葛藤や欲望です。叙事詩の力強さと人間味あふれるコメディ的要素が交錯し、観客に感動と共感を呼び起こすことでしょう。知見の広がりと共に、古代の叙事詩が持つ独特の世界観がまるでリアルに感じられる演技に期待が寄せられています。
2022年度にスタートした「火の鳥プロジェクト」の一環として行われる「Soul of ODYSSEY」。このプロジェクトは、アジア、ヨーロッパ、南米のパートナーとともに世界調和を目指す国際共同制作で、未来のストーリーが描かれています。2025年には「HINOTORI 火の鳥・山の神篇」と「HINOTORI 火の鳥・海の神篇」を上演予定しており、舞台芸術の新たな境地を開く重要な取組となることでしょう。
公演日程は2025年2月22日から28日まで、会場はザ・スズナリ。チケットは一般、U-25、世田谷区民割のいずれかから購入可能。公式ウェブサイトにて詳細情報が掲載されています。期待が高まる「Soul of ODYSSEY」。この舞台を通じて、古代の叙事詩が現代にどのように息づくのか、ぜひ体感してみてください。