新たな衣類循環モデル構築の取り組み
マッシュスタイルラボが伊藤忠商事、三景と共同で、ファッション業界における持続可能な衣類生産に向けた新しい取り組みを始めました。この協業は、特に生産過程で発生する裁断くずを再利用し、環境負荷を軽減することを目的としています。
裁断くずのリサイクルへ向けた第一歩
今回のプロジェクトでは、マッシュスタイルラボの生産工程で生まれるポリエステル100%の裁断くずが回収され、伊藤忠商事が提供する環境配慮型素材「RENU」として再資源化されます。これは、通常廃棄されてしまう材料を新しい裏地として生まれ変わらせる大きな一歩です。
SNIDELが導入する新たな裏地
この取り組みの第一弾として、マッシュスタイルラボが展開する人気レディスファッションブランドSNIDELの2026年春夏コレクションから、新しいリサイクル裏地が採用されます。この進化により、ブランド内での循環型リサイクルの実現に向けた具体的なアクションがスタートします。
サステナビリティへの情熱
マッシュスタイルラボは「私たちの発想を形にし、人々に幸せを届ける。」という理念のもと、ファッションを通じた持続可能性を推進しています。2022年には、サステナブルな取り組みを推進するための「サステナブルアライアンス」を設立し、業界内でのリーダーシップを発揮しています。三景も、責任あるものづくりの追求を続けており、今回の協業はその流れの一環です。
量の影響と環境への配慮
日本国内では、縫製工場で発生する裁断くずは年間約48万トンにも及び、この多くが焼却処分されています。今回の取り組みでは、裁断くずの焼却に伴うCO2排出を削減し、限りある資源を最大限に活用することが目指されています。
新たに生まれた素材は、従来のバージンポリエステルに匹敵する品質を持ち、この繊維を使用した裏地が全てのSNIDEL商品に広がることで、環境への負担を軽減することが期待されています。具体的には、年間38トンのCO2排出、そして127,000リットルの水資源の削減が可能とされており、これはアパレル業界における持続可能な発展への大きな貢献です。
各社の思い
マッシュスタイルラボの執行役員、岩木久剛氏は、「裁断くずを大切な資源として循環させることで、ものづくりの新たな価値を見出すことができる」と語っています。また、伊藤忠商事の山下眞護部長は、RENU PROJECTを通じてファッションロスの削減と資源循環の実現に向けた取り組みが進展したことを評価しています。
三景の島田秀利常務取締役も、「アパレル業界の資源循環は重要な社会的課題。実際に循環モデルを構築することで、地球環境に配慮した製品づくりを進めたい」と意気込みを示しています。
未来に向けた展開
このプロジェクトは単なるリサイクルにとどまらず、ファッションを通じてより良い未来を育む一助となることを目指しています。これからのSNIDELの商品展開には、多くの期待が寄せられています。「私たちの発想を形にし、人々に幸せを届ける。」という言葉が、現実のものとなる日も近いかもしれません。