高騰する野菜市場の現状とキャベツの行方
株式会社リサーチ・アンド・イノベーション(RnI)が発表した「生鮮・惣菜サマリーレポート2024年版」によれば、近年特に注目されているのが野菜の価格上昇です。一部のメディアでも報じられている通り、特にキャベツの価格が高騰しており、その影響は消費者の食卓にまで及んでいます。
キャベツの高騰の背景
キャベツの値上がりの原因として、猛暑や降水量の不足が挙げられます。これにより、野菜の出荷が遅れ、スーパーマーケットでのキャベツの単価は前年比143%と、異常な高水準に達しました。その結果、キャベツの購入数は前年同期比で90%まで減少しており、多くの家庭で食卓からキャベツが消える事態が進行しています。
地域別の影響
この価格の変動は地域によって異なり、西日本や太平洋側では特に影響が大きく出ています。気象庁のデータによれば、降水量の少なさが出荷に影響を及ぼす結果となり、西日本でのキャベツの単価の高騰が顕著です。これにより、家庭でのメニューにもさまざまな変化が見られています。
食卓への影響
特に西日本で人気のあるお好み焼きなど、キャベツを多く使用する料理は影響を受けており、キャベツ高騰が始まった11月から関連商品の購入数は急減しています。「お好み焼き粉」の販売数は前年比で72%まで減少しており、キャベツ高騰の影響が如実に表れています。
消費者の新たなニーズ
一方で、野菜高騰の影響を受けているのはキャベツだけではありません。消費者からの注目が集まっているのが「カット野菜」です。料理用カット野菜、サラダ用カット野菜、薬味用カット野菜は、簡便さから需要が増加しており、12月の売上は前年比でそれぞれ139%、116%、115%と大きな伸びを見せています。
特にカット野菜の平均単価は、野菜が高騰した11月以降もほぼ変わらず、消費者にとって手頃感が生まれたことが購買を後押ししています。簡単に調理できることから、家庭の事情に応じた柔軟な食事スタイルが求められています。
単身世帯の動向
消費者の変化を見ると、特に単身世帯がキャベツの購入を控えていることがわかります。単身世帯では食材の使い切りが難しく、購入に対する抵抗感が影響しています。一方で、料理用カット野菜は特に2~4人世帯において需要が高まり、購入率が増加しています。サラダ用カット野菜に関しても、2人以上の世帯での需要が広がっています。これにより、家庭のスタイルに応じた食材選びが進んでいると言えるでしょう。
今後の展望
現状を踏まえ、葉物野菜が単身世帯向けに適応できていないことが課題となっています。今後はこのニーズに応える商品開発や、販売戦略が求められる市場です。一方、カット野菜は1月に入ってから大手メーカーが値上げを実施する動きも見られ、消費者の購買行動にどのような影響が及ぶか目が離せません。高騰する生鮮市場における動向を注意深く見守りたいですね。
まとめ
生鮮・惣菜市場は、消費者の生活に密着した重要なカテゴリーであり、天候不順や価格変動により影響を受けやすい分野です。リサーチ・アンド・イノベーションが発表した生鮮・惣菜サマリーレポート2024年版では、今後の市場トレンドが詳述されています。ぜひ購買データや市場動向を読み解き、この変化に対応する新たな戦略を立てる参考にしてみてください。