糸リフト施術の新しいトレンドを解明した大規模研究の発表
2025年10月、TCB東京中央美容外科の奥村公貴医師らの研究が、国際美容外科学術誌『Aesthetic Plastic Surgery』に掲載されました。本研究は、106,639例のデータを基に、糸リフト施術の5年間にわたる変遷を解析したもので、今までにない規模の実態調査として注目を集めています。
糸リフト施術の基本とは
糸リフトは、切開を伴わずに顔のたるみを改善できる非侵襲的な若返り治療法です。ポリジオキサノン(PDO)やポリカプロラクトン(PCL)などの吸収糸が使用され、主に若返りを目的とした方に人気です。特に、最近はその効果の実感とダウンタイムの少なさから、ますます多くの方がこの施術を受けるようになっています。
研究の背景と目的
従来、年齢層や性別、糸の使用本数に関する大規模な全国的分析は行われていなかったため、糸リフト施術の実態を科学的に示すことが求められていました。この調査では、糸の材質や患者属性(年齢・性別)、施術強度(糸本数)との関連を明らかにし、2020年から2024年にかけての糸リフト施術のトレンドを把握することが目的とされました。
研究方法
東京中央美容外科グループにおける106,639名の患者データを用て、後ろ向き横断研究を実施しました。研究では、糸材質、年齢、性別、使用した糸の本数を分析し、さまざまな統計手法を用いて評価を行いました。
研究結果
結果として、モノセラピー群(単独糸使用)の術後合併症が61名、コンビネーション群(複数の施術を組み合わせたもの)が41名見られました。モノセラピー群では術後合併症が21.3%という高い割合で発生しましたが、コンビネーション群はなんと一例も認められず、明らかな施術効果の違いが明らかになりました。さらに、モノセラピー群に比べてコンビネーション群は合併症発生率が有意に低い結果となり、治療の安全性に優れていることが示されました。
研究の意義と展望
この研究は、糸リフト施術における糸材質の選択と施術強度が年齢と関連していることを示しており、治療戦略が個別化され進化していることを浮き彫りにしました。著者たちは、この発見が今後の美容外科の臨床における判断材料となることを期待しています。
おわりに
TCB東京中央美容外科は、全国104院を展開し、患者に寄り添った美容医療を提供しています。今後もこのような研究が行われることで、さらなる治療の質向上が図られるでしょう。美容外科への関心が高まる中、最新の研究を通じて、より良い未来の美容医療が実現されることを願っています。
詳しい論文情報は、
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