花王、ファインファイバー技術で新たなスキンケアシートを発表

花王の革新技術で新たなスキンケアシートが誕生

花王株式会社が新しいスキンケアの可能性を切り開く大型のファインファイバーシートを開発しました。このシートは、ファインファイバーと不織布を組み合わせた2層構造を持ち、強度と柔軟性に優れた特性を備えています。これによって、肌のさまざまなニーズに応えることが期待されています。

ファインファイバー技術の進化

2018年に発表されたファインファイバーテクノロジーは、直径1ミクロン以下の極細繊維を肌に吹き付け、閉塞感のない柔軟な膜を形成する技術です。これにより、スキンケア製剤の効力を向上させることが可能でした。しかし、従来の方法では凹凸のある部位や大きな動きのある箇所には対応し切れないという問題がありました。

そのため、花王は新たなアプローチとして、大型シート状にファインファイバーを紡糸できる技術の開発に着手しました。エレクトロスピニング法を利用し、ポリプロピレン樹脂を使用することで、一度に大量のファインファイバーを生産できるようになりました。この技術により、シート状のファインファイバー膜が生まれ、従来の製品では実現できなかった新しい用途が広がります。

2層構造のファインファイバー積層シート

新しく開発されたファインファイバー積層シートは、不織布の片面にファインファイバーを吹き付けることで、強度を保ちながらも柔軟性と伸縮性を持たせた2層構造です。このシートは、大きな面積や動きの多い部位をしっかりとカバーすることができるため、さまざまなスキンケア製品との組み合わせが期待されています。

実証されたスキンケア効果

新しい積層シートの特性を生かし、花王では肌を覆ったときの湿度を測定する実験を行い、その結果を発表しました。特に、ファインファイバー積層シートは、適度な透湿性を保ちながらも、肌の水分を保つことができるという優れた特性が確認されました。低湿度環境においても、積層シートが肌の湿度を保つ効果があり、スキンケア製剤とも組み合わせることで、その効果がさらに高まることが期待されています。

新たな適用範囲に挑戦

また、手に合わせて設計された手袋型のシートを用いた実験では、スキンケア製剤の残存状態が非常に良好であることが確認され、手あれが防げる効果が実証されました。冬場に特に悩まされる乾燥やかさつきに対して強い味方となりそうです。

未来に向けた展望

花王は、この新しいファインファイバー技術をさらなる用途に活かし、肌悩みを持つ人々の負担を軽減する製品開発を進めています。今後も、パートナーシップを深め、新しい美容技術を追求し続ける姿勢で、私たちの美と健康を支えていくことでしょう。この革新技術が、皆さんのスキンケアにおける新たな選択肢となることを期待しています。